酩酊

今現在進行形で、お酒を飲んでいる耳にBUMP OF CHICKENの「天体観測」を流し込まれている。私が小学校高学年の時にラジオで繰り返し聴いて、その後バンドサークルでコピーバンドを何度も聴いて、同い年の友人に誘われてアリーナツアーで聴いて、個人的に再生…

後藤比奈夫句集 祇園守

祇園守―後藤比奈夫句集 (邑書林句集文庫) 作者:後藤 比奈夫 邑書林 Amazon 古本屋で買って、通読する性質のものかはかりかねて時々パラパラしていたのを、読めない漢字なんかを調べながら少ししっかりめに目を通した。 もともと花の写真を沢山撮っていた時期…

天国飯と地獄耳

たぶんかれこれ4年積みっぱなしだった。サイズが文庫じゃなかったこと、買ったのがamazonだったためにカバーがついていなかったことなどが不利要因となってさも既読本のような顔をして棚に差さっていた。 天国飯と地獄耳 作者:岡田育 キノブックス Amazon 私…

ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫) 作者:サリンジャー 新潮社 Amazon 書店で野崎孝訳を見つけたので買ったもの。 私は選ぶなら「エズミに捧ぐ」が読みやすくて印象に残ったのだけど、どのお話も話の筋は忘れても数年後にふっと思い出しそうな鮮烈な描写があっ…

太陽の塔

ペンギン・ハイウェイを読んだ記憶をすっかり失くしていたことにショックを受けて積んであったのを読んだ。京都の大学5年生の懊悩の話。 太陽の塔(新潮文庫) 作者:森見登美彦 新潮社 Amazon 私が西尾維新ファンであるのと同じように森見登美彦ファンであっ…

いきたくないのに出かけていく

エッセイを続けて読んだら、角田光代もイルカショーを見て泣いていた。私も泣く方なので、水族館でイルカが見られるのはやっぱりたぶん何か異常にラッキーな時代のバグなんだろうと思う、間に合ってよかった。 いきたくないのに出かけていく (角川文庫) 作者…

何者

何者(新潮文庫) 作者:朝井 リョウ 新潮社 Amazon 就職活動をする学生4人を中心とした群像劇。主人公である二宮拓人の一人称視点なので群像劇というと語弊があるかも知れない。 小説のオチの部分はアクロイド殺し方式だった。もしかしたら作中人物の顔が読…

白い薔薇の淵まで

白い薔薇の淵まで (河出文庫) 作者:中山可穂 河出書房新社 Amazon 魂ポルノが過ぎてて一息で読んだ。この人の本は見かけたら買うので冒頭すら立ち読みしなかったのだけど、主人公が運命の相手・山野辺塁との出会いを回想する18ページは、おんなじ仕組みでい…

わるい食べもの

わるい食べもの (集英社文庫) 作者:千早 茜 集英社 Amazon 北澤平祐のイラストに惹かれて買った。洋菓子のフランセのパッケージにも描いている方で、各話に1枚ずつつけられる挿絵も、巻末に載っている著者との対談もよかった。 内容は2017年から2018年にかけ…

されど私の可愛い檸檬

されど私の可愛い檸檬 (講談社文庫) 作者:舞城 王太郎 講談社 Amazon 中編が3つ、どれも面白い。 私にとっては最初に収められている「トロフィーワイフ」がひどかった。器用で卒のない姉・棚子と、その姉から距離をとって暮らす妹・扉子の話。 姉が夫のある…

パーマネント神喜劇

パーマネント神喜劇 (新潮文庫) 作者:万城目 学 新潮社 Amazon スッと買ってパッと読んだ。小さな神社のマテバシイに宿る神様が主人公で、関わる人間ごとに4つのパートに分かれている。私は近所の寺や神社のことを大体これくらいの感じのものだと思って暮ら…

マダム・プティ10,11

マダム・プティ 10 (花とゆめコミックス) 作者:高尾滋 白泉社 Amazon マダム・プティ 11 (花とゆめコミックス) 作者:高尾滋 白泉社 Amazon ずっと買っていた少女漫画が完結していたので、買って読んだ。美しい人の心根を描くために、時代の設定が必要になっ…

阿・吽(10)

阿・吽 (10) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) 作者:おかざき 真里 小学館 Amazon 随分前に買って読んでいなかった。友人から完結したと教えてもらったので、今度買うときには残りの分を全部買おうかな。相変わらず絵がとにかく美しくて気持ち悪くてコミカルで…

イスラム2.0

イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観 (河出新書) 作者:飯山陽 河出書房新社 Amazon 少し前にSDGsの17のゴールを見ながら選んだ本、どれに対応しているのかは忘れたけど。一般のイスラム教徒がWebでコーランや啓示を検索できるようになり、YouTubeで説教…

カラフル

Amazon Prime VideoでHOMESTAYという映画を見た。アマプラ配信限定の作品らしい。 HOMESTAY (ホームステイ) 長尾謙杜 Amazon この作品の原作である「カラフル」は森絵都の作品で、児童書のコーナーにあった本だ。 今は文春文庫から出ているらしい。 カラフル…

ずっと独身でいるつもり?

ずっと独身でいるつもり? 田中みな実 Amazon 市川実和子見たさに観た。ベストセラーを出したライター(田中みな実)と、そのベストセラーをバイブルにして生きてきたファン(市川実和子)、その同級生の子持ち専業主婦(徳永えり)、ギャラ飲みパパ活女子(…

TOO YOUNG TO DIE

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ 長瀬智也 Amazon 観た。高3の修学旅行で亡くなった男の子(神木隆之介)が7度の転生をする話。 長瀬智也ってもう表舞台では見られないのか、と思うと寂しい気持ちになった。歳を取れば取るほど良くなりそうな俳優だった。 音…

身には覚えが

この土曜日にたどり着くまで、平日は睡眠を2回に分けてとっていた。次に目覚める時には仕事に行くためのアラームで起こされるのだと思うと気が重くなるからで、20時を見る前にアラームをかけなくていい睡眠をとって、深夜から早朝にかけてもう一度眠っていた…

ザ・ファブル

ザ・ファブル 岡田准一 Amazon 観た。音楽が結構注目のつもりだったのだけど、全然お芝居見るのに夢中で聞けなかった。みんな顔と身体が派手で格好いいから…。気にならないということはつまりいい劇伴だったのでしょうね、と思う。 アクションも終始景気がよ…

繰言

現実が二重写しになってから数年が経って、いい加減多重露光にも飽きて違うことを考えられないかと足掻いているせいで初詣で手を合わせる時間が長くなった。同じ道を歩けば何度も何度も練習したさようならをパラグラフごとに思い出す、それで歩くのをやめて…

明るい顔もそれなりにする

って言ったのは概ね嘘で、かなり希望がない。希望がないというのは光が見えないという意味でもあるし、自分の欲がちょうどよく表明できる形をしていないという意味でもある。 昨日は「落下する夕方」の映画を見かけてやめた。健吾も梨果もわからないでもなか…

勇気凛々よって言っても疑われるのかな

興味津々よ!って言うと絶対に信じてもらえない、まぁ仕方ない。 今わりと面白い本を読みかけているのだけど、分厚いハードカバーだから持ち歩けなくて読書が止まっている。本を読むのにも筋肉と堪え性が必要。まぁ家で読めばいいんだけど家にいても見たいも…

敗戦日記

敗戦日記 (中公文庫BIBLIO) 作者:高見 順 中央公論新社 Amazon 昭和一桁生まれの知人に若いころ何を読んでいたかと聞いたら、ドストエフスキーなどの海外の作家、日本だと白樺派、高見順を読んでいた時もありました。と言われて全く知らなかったので読んだ。…

イルカと墜落

イルカと墜落 (文春文庫) 作者:沢木 耕太郎 文藝春秋 Amazon 少し前に古本屋で買ってあって、積読の中から夏らしいのを選んだら国文拓ディレクターと沢木耕太郎によるリアルジャングルクルーズだった。なので私の頭の中の彼らは概ね映画『ジャングル・クルー…

小春日和

小春日和(インディアン・サマー) (河出文庫―文芸コレクション) 作者:金井 美恵子 河出書房新社 Amazon 主人公は大学に入りたての女の子、桃子。一風変わった友人花子と出会い…たいして何が起こるわけでもないのだけど、ある種のシスターフッドの話で、この目…

美少年M

美少年М (講談社タイガ) 作者:西尾 維新,キナコ 講談社 Amazon 順番に読んできて、この作品だけは単体では読めないと感じた。 本編で女子校への潜入調査に取り組むのが主人公の瞳島眉美だけで、あとの美少年たちは"仮想"としてしか登場しない。出版は2018年…

19年

経ったら、同じ日に同じ月が見られるのだそうだ

夏の日記

今日も朝起きたときはなんのために、と思った。 どうして目が覚めるのだろうね。好きなひとたちのSNSを順番に眺めて、もう一度眠った。雨が降っていたように思う。 少し前に買った薄皮クリームパンが冷蔵庫で冷やしてあって、最後のひとつを食べた。母が作っ…

クローゼット

クローゼット(新潮文庫) 作者:千早茜 新潮社 Amazon 千早茜、作家買いしている。 百貨店のカフェでバイトをしている、顔がよくてファッションが好きな青年が、衣服専門の美術館に出入りするようになる。強い情熱を持って収蔵品に関わっている人たちに出会…

たのしいムーミン一家

たのしいムーミン一家 (新装版) (講談社青い鳥文庫) 作者:トーベ・ヤンソン 講談社 Amazon 目覚めのシーンがとてもいい。このような目覚めを普通のことだと思って眠りにつけることが大切だと思う。 誰かのために何かをすることを、この物語に出てくる何人か…