パーマネント神喜劇

 

 

スッと買ってパッと読んだ。小さな神社のマテバシイに宿る神様が主人公で、関わる人間ごとに4つのパートに分かれている。私は近所の寺や神社のことを大体これくらいの感じのものだと思って暮らしているので全然違和感がなかった。

しかしトシとシュンのパートでは、"結婚したら夫の姓になる" を疑わない記述があったので、平成初期くらいの作かなと思ったら2017年だった。他にも、教師が児童たちに向かって、転校した子に手紙を書くよう促す描写もあるので、作中の時代設定は少し前なのかもしれない。

全般に今今の社会より少しのんびりした雰囲気の世界で、かなり人間臭い神様が、人間たちの手助けをしたり他の神様とお話をしたり、奇跡の復活を遂げたりする、ハートフルストーリーだった。神都合の時間操作などにより単純な長さ以上の読みごたえがあるし、私が日常感じたり信じたりしている虫の報せ、嫌な予感、吉兆、そういったものの機微がキラキラと散りばめられていて、よくわかった。神の"いる"世界。

主人公が縁結びの神様なのでバレンタインやクリスマスをありがたがってるのも良くて、神様ジョークが好きな人、つまるところ聖⭐︎おにいさんが好きな人全員におすすめ。