ここは、おしまいの地

こだまさんの本を読んだ。

 

 

こんな表紙なのか。「夫のちんぽが入らない」以来だと思う。

単に自分よりこだまさんのが不幸っぽいので元気が出る部分もあるし、逆にこだまさんはこんなに大変なのにこんなに面白いエッセイが書けて、それにひきかえ私ときたら何を生み出すこともなく無為な人生を…となる部分もある。

以降続編らしきエッセイも出ているようなので、また怖いもの見たさで読もうと思う。

私が好きなのは、骨が消えてしまう病気の治療で首に埋め込まれた3本のボルトが小さな鳥居に見えていたり、医者が自分の骨について「生えてくる可能性」を語るようになったりして、自分のことをなにか珍しいことがよく起こる、有り難い存在のように思っているこだまさんだ。

骨が消えてしまっている首の画像を、医者と一緒に見たときのこだまさんの観察のところを引く。

骨は南北に伸びる二つの島のようにも見えた。上にあるのが菱形の小島、下には細長く伸びた島。北海道と本州をつなぐ青函トンネルが消滅したような状態だ。画面には暗い津軽海峡が映し出されていた。

私の中の欠けたバナナ、海峡、骨壷泥棒。わからないことだらけだ。

電車の中で読むのは危ないと思って、家でALGSを観戦する合間に読む失礼スタイルだったのだけど、たいして集中もしてないのにこういう文章を真顔でぶちこまれると笑ってしまう、面白いことばっかり言うのをやめてほしい。

こだまさんは、すごく大変な目にあってもどこか他人ごとみたいな神様の目がついていて、そのせいでおもしろおかしくなってしまっている。だからそういう「人ではない(神様に近い)」見解は私には大当たりに思えるのに、本人は自分の神性にあんまり自覚的じゃないようなのが面白い。

とはいっても実際かなり苦労している神様で、大抵の人は同情できると思うので、今状況が不幸な人にも安心してオススメできる。