小さなトロールと大きな洪水

 

 

松坂屋美術館で開催されたムーミン展を見たときに買ってあったもの。ムーミン展は2回も見たのに、本編を読んだことがなかったのでミュージアムショップで購入した。

続編も順々に読もうと思っていて、発想の鮮やかな自由さが、定型的な思考と生活に流し込まれた脳の強張りを解いてくれる。

ママは、かれ枝を集めて大きな山をつくり、チューリッパの青い髪の毛から火花をもらって、火をおこしました。

私も髪の毛から火花を分けてあげられるような人でいたいなあと思う。ちょうどいいところにちょうどいいような余分の力が取ってある。前はアンパンマンになりたかったけど、今はもうそれじゃダメで、分けてあげても平気の平左でいたい。へいきのへいざ。

青い鳥文庫は、ほぼ全ての漢字にルビが振ってあるのも優しくて、普段ならうっとうしく思うかもしれないけど、ことムーミントロールの物語に関しては、ひらがなの上に視線を走らせるのがしっくりくるように思う。おそらく両親が読んでいなかったせいで私に与え損ねた名作達を、自分の思いつきひとつで今から拾い集められることをうれしく思っている。