藤田嗣治展

27日の夜は友人A宅に泊めてもらった。毎度至れり尽くせりのおもてなしで申し訳なくなる。
今回はすごい発見があって、それはスプラトゥーンというゲームなんですけど、すごいおもしろい。すごいおもしろいので今私をおうちに呼びたい人がいたら「スプラトゥーンやらせてあげよっか?」ていうと簡単です、即予定合わせます。

烏賊墨で床を塗って陣取り合戦するゲームをする合間に、友人A宅のローテーブルに藤田嗣治展の半券を見つけて、そのまま”これどう?”とその日会う予定だった友人のじおんちゃんにLINEを入れたら一も二もなくOKしてくれてうれしかったな。

友人Bちゃんと四条のカフェでランチをしてドライフラワー専門店プルミエ・エタージュに寄った。併設カフェの席が空いていたのでお茶をしたのだけどインスタジェニック力がとてもすごいし自分で作るのが難儀そうな種類のドライフラワーもあるのでお好きな方にはおすすめ。
彼女は小学校からの友人なのだけれど美しくてある意味さばさばとしてとても素敵な人だ。健やかに明るく生きて欲しいしときどき会って欲しい。彼女を見ていたら今美しく生きなくてどうするの、という気持ちになった。

たばこプカプカのじおんとチェーンの喫茶店で落ち合ってアイスコーヒーを一口もらったら
プルミエエタージュで飲んだ抹茶ラテの甘い後味がすっと消えた。代わりに爽やかな苦味。

この友人はこの日まで藤田嗣治のFの字もしらなかったみたいで、そんな人生可能なんだ…と新鮮に驚いた。(バカにしてない)
それなのにこれ見よっていったとき即答でいこ!って言ったの、
なんていい僧侶の卵なの…と思って手を合わせようか迷ったけどやめた。

付き合わせて悪いわねと思いながらゆっくり見た。画家の人生を丁寧にたどる良い展示だっと思う。彼の宗教画を見たのは上野の森美術館以来、10年ぶりだったかもしれない。

私にとっては「カフェ」との記憶にある限りでの初邂逅で、
大切な友人のれいこちゃんが大好きな絵なので、
「おお、これはこれは、お噂はかねがね」といった気持ちで鑑賞した。

これもそう、今、今美しくなければ次の瞬間だって美しくないのだよ、
という気持ちを新たにした。この場合の美しいは、当然なのだけど若くてつるつるでキレイ、という意味あいではなくて、おそらくは生き様が強い、といった意味合い。自分の価値観で美を打ち立てる力を持って人生を過ごしたい。

その他には彼が描く布の模様にいちいち感動した。どの模様も細密で精確で美しいのだけれど、それをそうさせるだけの愛が、眼差しが感じられるので。私のように布そのものを見る目がない人間には、フジタの目を通して見た布の模様のほうが価値がわかるように思った。

前日にあまりおいしくないパリ風のカフェを引いてしまって、ハズレを引きたくないばかりに居並ぶオシャレなお店を全部スルーしてオーバカナルに行った。安定の味、キノコとチーズのオムレツ、食後のタルト・オ・シトロン。ここまで書いて思ったけどまじで全部わたしのわがままなのに全部ついてきてくれるじおんすごいな、めちゃ丁寧に藤田嗣治展の感想を話してくれてにこにことマロンケーキ食べて帰って行った、どんどん痩せて格好良くなる予定らしいのでみんなじおんとデートするといいと思う。

本当は中村佳穂さんのライブに行こうか迷ったのだけど体力とお財布と相談して京都にさよならを言った、よい旅でした。迎えてくれた友人ズに感謝。