PCがいよいよ正常に動作しないことが増えて、無線LANの親機として機能しなくなると不便なので負担をかけるのを避けている。そのせいでブログも書いてないのだけど、案外海外ドラマを見たりスプラトゥーン2をやったりするのに忙しく、やることがない、とはならないから不思議だ。
今日は睡眠の合間に本を読んでいた。
近代小説も含むコンピレーションで、短編の良さを味わえる。作者が全部違うので集中して読み通すとなると体力はいる。武者小路実篤の空想なんかはいまだにアツい共感を集めそうで、切実で、よかったな。
- 作者: 中山可穂,角川書店装丁室大武尚貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2010/01/22
- メディア: 文庫
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私はこの作家の形容多重な文体が大好きで、陶酔型の文章を読みたければこの人のを読む、みたいなところがある。しかしこの作品に限らず、フィクションにおいて登場人物にとって一番つらいどん底の時に、来て欲しい唯一の誰かが走ってきてくれたり、存在を丸ごと肯定するような抱擁が与えられたりする展開を目にすると、随分残酷だなと思うようになった。つい、私にもそれが与えられたならよかった、と思ってしまう。実際には単に"まだ"与えられたことがないか、"もう"忘れているだけなのかもしれないのだし、こんなことは起こらない、そうだったらよかった、と泣く必要は本当はないのに。
お正月にamazonに持って来てもらった中の一冊。ピース又吉が選ぶ20冊、という帯がついていた。わからないでもない。小説を読む人になら「太宰ほどかわいくないけど」と言って薦めるけど、小説を読みつけない人に「おもしろいよ〜」と言って薦められるものでもない。