20181124 「椎名林檎(生)林檎博’18 -不惑の余裕-」

生まれて初めて椎名林檎を生で見た。

今、1行書いたらあまりのことに途方に暮れてしまったのだけど、いつか思い出すときのために覚束ないながらも何か、何か書いておかなくてはという思いにかられて書きます。

会場はさいたまスーパーアリーナで、ずいぶん前に今回誘ってくれた友人とスピッツのライブに訪れたとき以来だった。スピッツの1曲目はルキンフォーで、歌い出しを聴くなり泣いたのだけれどさいたまスーパーアリーナはすごい、今回も1曲目で泣かされた。

何が起こったかと言うと椎名林檎が「本能」を歌いながらガラスを割って登場したの、王冠を被って。わかってほしい、大変なことだったの…

そのようにしてコンサートが始まったせいもあり、以降椎名林檎が生きて動いて歌っているっていう基本的な感動にずっとのぼせていた自覚がある。

言うまでもなくゴージャスなバンドメンバー、オケの指揮者はネコさん、スペシャルゲストにMummy-D長岡亮介宮本浩次レキシ(池田貴史)と椎名林檎をとりまくすべてが素晴らしかった。というか林檎ちゃんは林檎ちゃんをやるので忙しいので、ライブそのものの盛り上がりに関してはゲストやダンサーの力が本当に大切な役割を担っていたと思う。

お衣装はどれも素敵だったのですが、あ、たぶんこの合間に林檎ちゃん着替えてる、何色のドレスかな、やっぱりピンクに金髪ウィッグかなと思ったら本当にピンクのドレスで出てきてくれたときにすごく嬉しい気持ちになった。林檎ちゃんがとにかく過剰なまでの自意識と美意識を持って在り続けてくれることに勇気をもらっていると思う。自分が40歳になったときに、29歳のときに見た林檎ちゃんのことを思い出したい。 

席がど上手ステージ横ネコさんを正面から見る2階?スタンド席最後列だったのもあって、曲はゆったりめでシンプルな編成の曲のほうがはっきりと聞こえて印象に残っている。旬、アンコールの夢のあと。それと獣ゆく細道は生でMステを見れる、みたいな謎の興奮があり、実際繰り広げられたのがMステだったので最高でした。林檎ちゃんのゲストに対する姿勢が基本放し飼いなのがよくて、長岡さんも誰かの結婚式二次会の帰りに暇だったので寄りました、みたいな風情でポケットに手ぇ突っ込んだまま階段をひょいひょい降りたり途中で座って休憩したりしていた。(一方林檎ちゃんは黒いドレスでめかしこんでAyaBambi引き連れてちゃっきちゃきに踊っていた)

 そういえば宮本さんとやった昔の侍→レキシのキラキラ武士の流れ、侍からの武士だ…ってなって面白かった。

終わったあとは友人とふたりで茫然となって、駅前でお寿司を食べながら、「明日から一体何を楽しみに生きていけばいいのだろう…」とひとしきり呻いた。必然「頑張ってまたチケットを取るしか…」という結論にたどり着いて、ぽやぽやとした状態のまま解散した。私は多分次に林檎嬢を見られる日程が決まったらダイエットの目標値を定めてダイエットしたり美容院の予約抑えたり着ていく洋服に頭を悩ませたりすると思う。そういう「ハレ」の場であった。